[from MTV THINK LOUD:eco with Honda blog]
ゴミバコの新しいカタチ、資源ポスト!
私たちが '地球のためにデザインができること'をテーマに一番最初に着手したいと思ったのは「分別ゴミバコ」でした。それも、どちらかというとパブリックな場所の。
最近はイベントでもキャンプでもゴミは持ち帰るのが当然になってきましたし、テロ対策もあってか、街なかからどんどんゴミバコが減っていますよね。とはいえ、そもそも、何のために分別ゴミバコが存在しているかと言えば、雑多なポイ捨てを無為に受け止めるためのものでなく、きちんと資源ごとに区別して集めることで、リサイクルを推進しよう! というもののはず。
街のなかで積極的に資源を集める方がよいのでは..という素朴な疑問から、街なかのゴミバコを何とかしてみよう! というブレストがスタートしたのでした。
よくあるのは、とにかく同じかたちで、燃える/燃えない/ビン・缶、表示があるだけ、というもの。
なるべく目立たないストイックな形で3つくらい並んでいるという。
それはそれでひとつの完成形だと思うのですが、もっと積極的にどうしても、このハコの前に立つとひとりでにゴミを分別してしまうくらいの誘導パワーのあるものを考えようよ、ということで、かねてより、頭からひねり出すのではなくて、感覚的にするっと形を生み出す人だなあと思っていた福田晶子さん(Limb co,)というインテリアデザイナーに協力を頼みました。
彼女いわく、「地球から預かったものが一時的に集まるところ。その形態自体が有機的で自然の一部であるかのような立体をイメージしてみた。ある種のモニュメントや彫刻みたいにある種の圧倒的な存在感のあるものがいきなり街頭にある感じ」ということで、出てきたのがこんな形。
卵のような種子のような何かとてもプリミティブで柔らかい形。そして、不思議な形の穴が3つ。
実は、吸引力のあるチャーミングな形状の前に私たちが考えていたのは分別専用の「ポスト」みたいなもの。資源ごとに集荷してリサイクルしてくれる人たちにポンと届けられるような仕組みでした。だから、同じ形で同じ開口のハコではなくて、「それ」しか受け入れない入口を持つ選別ポストをつくってみたのです。
そして、この初のコンセプトモデルになった資源ポストは「ペットボトル専用」。
丸い大きな穴にはペットボトルの本体だけを、丸い小さな穴にはキャップだけを、スリットには外装フィルムだけを捨てざるを得ないハコにして、さらにそのそれぞれの資源の入口(穴)に、言葉が通じなくても伝わる絵文字=ピクトグラムで最小限かつ最大限のコミュニケーションデザインを施しました。これは、情報をピクトグラムとして視覚化することを突き詰めている気鋭のグラフィックデザイナー山本和久さん(Donny Grafiks)によるもの。
かくして、treasured trash projectの第一号資源ポスト(ペットボトル用)が誕生。
まだまだこれはコンセプトモデルで、機能や素材を詰めて行くのはこれからなのですが、既にけっこう人気者で、昨秋のtreasured trash初の企画展でのシンボリックな、オフィシャル作品として原宿(DesignTide06)→日本橋(CET06)を巡回した後、年末のビッグサイトのエコプロダクツ会場やこのMTV THINK LOUD: eco with Hondaのイベント会場などに、ちょこんとお目見えしていました。このヒトがほんとにストリートやオフィス等で活躍できるよう一歩ずつ打合せを重ねる日々が今もひたひたと続いています。
[fumiko ikeda@treasured trash project/gift_]